globe メニュー 検索

スプレーノズルのメンテナンスはなぜ大事?ノズル最適化で削減できる生産コスト


摩耗の検知で生産コストを削減

29

6月 25




スプレーノズルとは?どこで使われているのか?

スプレーノズルはあらゆる産業分野で使用されています。 食品、鉄鋼、化学、自動車、プラント、電子・半導体、製紙、印刷、精密機器などの工業用途はもちろん、農業、福祉、アミューズメント分野にまで広く普及しています。

  • スプレー加湿
  • スプレー洗浄
  • ミスト冷却
  • 潤滑剤の塗布
  • 粉塵除去

スプレーノズルのメンテナンスはなぜ重要なのか?

ノズルの摩耗が生産工程に与える悪影響

スプレーシステムは非常にシンプルなものと思われがちです。ノズルから液体が出ていれば正常に動作しているように思えますが、実際にはそうとは限りません。 ノズルは、設計された条件で正確に動作することで、製品の品質と工程の安定性を保っています。 摩耗により設計通りの動作ができなくなると、不良品の発生や品質低下を招く可能性があります。また、水の消費量など、見えにくい部分でコストを押し上げる原因にもなります。

ノズルの摩耗によって無駄になる流量

では、ノズルの摩耗が実際に生産性に与える影響はどの程度になるのでしょうか? 噴射口が摩耗したノズルを使用し続けると、液の消費コストはすぐに増加します。 下記のグラフは、週5日稼働で1日24時間稼働するスプレーシステムが、水を15%過剰にスプレーした場合の水道の過剰コストを年間で示しています。

【グラフ】ノズルの摩耗によって無駄になる水のコスト

水だけでなく薬剤を使用するスプレー工程では、摩耗による損失はさらに深刻です。 一例として、システムの流量が379L/minの場合、定格流量よりも15%過剰にスプレーするノズルを使用すると、試算では年間約2560万円のコストがかかることになります。 (水:約100円/㎥、化学薬品:37円/L、希釈率が10:1、年間稼働時間が2,080時間と仮定した場合。) それに加えて電気代や品質問題に関連するスクラップやダウンタイムも発生します。

ノズルが摩耗しているサインは?

ノズル噴射口の摩耗は外見だけでは判断が難しく、多くの場合、生産現場で見過ごされています。以下のような変化が見られたら、摩耗が疑われます。

流量の増加

噴射口(オリフィス)や内部の部品(ベーンやコア)が摩耗すると、流量が増え、スプレー圧力が低下し、噴射の勢いも弱まります。

液滴サイズが大きくなる

液体の流量が増加したり、噴霧圧力が低下したりして、液滴サイズが大きくなり、コーティング効率や冷却効率が低下します。

スプレーパターンの乱れ

ノズルの種類によってスプレーの形や広がり方にさまざまな影響が出ます。

  • ホローコーンノズルでは、スプレー分布の均一性が失われ、縞模様が発生します。
  • フルコーンノズルでは、液体がパターンの中央に多く集まり、分布のバランスが悪くなります。
  • フラットノズルでは、スプレーパターンが縞模様になり、中央部分の流量が多くなるうえに、有効なスプレー角度の範囲も狭くなります。

ノズルの摩耗を測定する方法

ノズル摩耗のサインは前述の通りですが、スプレーパターンを目視で確認するだけでは摩耗の程度を正確に把握できません。 より正確性の高い方法としては、新品のノズルと既存のノズルの流量を測定・比較することが挙げられます。

タイマー、容器、計量容器を用いて測定する方法を以下にご紹介します。

  1. 既存の(おそらく摩耗した)ノズルを一定時間スプレーして、水を容器にためる
  2. 計量容器で水の量を測定
  3. 水量 ÷ スプレー時間 = 流量(L/min)
  4. 1分間あたりの流量をカタログと比較

既存のノズルの流量がカタログ値よりも明らかに多い場合は、交換を検討しましょう。

その他のよくあるスプレーのトラブル

摩耗の他にも生産性を下げるスプレーノズルのトラブルを以下に紹介します。 このような現象が見られた場合には、ノズルの交換やメンテナンスによってスプレー工程を最適化してください。

目詰まり

異物が噴射口をふさぎ、スプレーパターンを乱します。

腐食

スプレーする液体や環境中の化学物質により、ノズルが腐食することがあります。 わずかな腐食であっても、粒子のサイズやスプレーの均質性に悪影響を及ぼします。耐腐食性のノズルの使用をお勧めします。

熱損傷

高温の液体、または高温環境下でスプレーする場合、ノズルが軟化しダメージを受けることがあります。耐熱性のノズルを使用してください。

固形化(ケーキング)/固着化

固形化(ケーキング)といって、液の蒸発後に乾燥した固形物が噴射口の内部や外周に層となって堆積し、目詰まり等によってスムーズな流れを妨げることがあります。 また固着化といって、 噴射口周辺にひげのように固形物が堆積し、ノズルの性能を劣化させます。

適切でない工具による損傷

ノズルのメンテナンス時に、ノズル形状に合わない工具/器具を使用すると、噴射口やノズル外部に思いがけない損傷を与えることがあります。 また装着時にノズルを落としたり、使用時にノズルが落下したりすると、ノズルが損傷を受けることもあります。

最後に:スプレーシステムの性能を最大化するために

スプレーノズルは見た目以上に繊細で、製品品質やコストに直結する重要部品です。 定期的な点検・流量測定・正しい交換が、安定した生産とコスト削減に直結します。 「ノズルが噴射している=正常動作」とは限りません。ぜひ、この機会にスプレーノズルのメンテナンスを見直してみてください。

また弊社では現場診断も実施しております。工業洗浄、タンク洗浄、ガス冷却、塗布、エアーブローなど用途に関わらず、わずかな変更やノズルの切り替えによって性能・効率面で大幅な改善が期待できる場合がありますので、スプレー性能の最適化やコストの節減をご検討の際は、ぜひお問合せください。

現場診断を申し込む