鋳鉄パイプメーカーはスプレー冷却システムで不良を削減し、年間約560万円の節約を実現

鋳鉄パイプメーカーはスプレー冷却システムで不良を削減し、年間約560万円の節約を実現

問題
リサイクル材から鋳鉄製品を製造している工場では、加熱したアスファルトにパイプを浸した後、鋳鉄土管を177℃から38℃まで効果的に冷却する必要がありました。 アスファルトは腐食防止の効果があり、パイプの隙間を埋める役割があるのですが、冷却の際にパイプ表面の不良が発生していました。 アスファルトは従来のコーティングに取って代わる環境に優しい代替品ですが、表面不良が発生しやすく、返品やクレームが多発していました。
始めは水槽に浸水して冷却する方法が試みられましたが、アスファルトコーティングに水膨れが発生する原因となってしまいました。次に周辺空気冷却を試みたところ、仕上がりは良くなりましたが、時間がかかる上、液状のアスファルトが凸凹の状態で固まってしまわないように、大きなパイプを手動で回転しなければなりませんでした。どちらの解決策においても、手作業による負担が大きく人件費がかかっていました。

Cast iron pipe spray application

解決策:
1/4J二流体ノズル6個を2列に配列した、シンプルな冷却コーナーを導入しました。パイプの上に組み付けられた二流体ノズルにより、1.2m x 3mの範囲を均一に冷却します。鋳鉄およびパイプ質量の比熱に基づいたヒート・バランスの計算により、希望時間内で冷却するために理論上必要な水量やノズルの個数等の条件を算出。二流体ノズルを使用することで、100%に近い蒸発率を実現し、効率的に冷却します。また、再循環水を使った場合でも目詰まりを防ぎます。

結果:
冷却システムにより生産性が劇的に向上し、冷却効率が向上し、冷却時のトラブルによるパイプ表面の不良が激減しました。結果として、再加工費用および手作業の人件費を約560万円削減することができました。

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