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塗布工程のミスト飛散 原因と解決策


スプレー工程でのミスト飛散の原因と解決策

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8月 26



スプレーノズルによる塗布工程での液体の飛散は、品質不良や歩留まり低下、清掃工数の増加につながる大きな課題です。 特に防錆油や潤滑油、薬液などを使用する工程では、飛散した液滴やミストが他の製品や設備へ付着し、生産効率や作業環境に悪影響を及ぼすことがあります。 本記事では、塗布工程で飛散発生を防ぐ具体的な対策、飛散防止に有効な塗布技術まで詳しく解説します。


塗布工程における飛散の課題とは

塗布工程で発生する飛散は、単に設備周辺が汚れるだけの問題ではありません。品質、コスト、安全性に大きな影響を与えるため、多くの製造現場で改善テーマとなっています。

品質不良の原因になる

飛散した液滴は、本来塗布対象ではない箇所や周辺設備へ付着することがあります。その結果、塗布ムラ、表面汚染、塗装不良などの品質トラブルにつながります。

清掃工数・メンテナンス負荷が増加する

飛散したオイルや薬液が設備や床面に付着すると、日常的な清掃作業の負担を増加させ、保全工数の増加につながります。

材料ロスやコスト増加につながる

飛散した液体は製品に付着しないため、そのまま材料ロスになります。塗布量が多い工程や高価な液剤を使用するラインでは、わずかな飛散でも年間換算すると大きなコスト差になります。

作業環境・安全性に悪影響を及ぼす

オイルミストや薬液ミストが空気中に漂うと、作業環境の悪化を招きます。床面の滑りによる転倒事故や、ミスト吸入による健康リスクなど、安全衛生面での課題も発生します。

塗布工程で飛散を防ぐ3つのアプローチ

このような飛散トラブルを防ぐためには、現場での適切なセッティングや設備の選定が不可欠です。主な対策として以下の3つが挙げられます。

噴霧圧力を最適化する

飛散を防ぐ最も基本的な対策が圧力調整です。 必要以上の圧力をかけてしまうと、液滴が過度に微粒化して軽いミストとなり、漂流しやすくなります。 塗布品質を維持しながら最小限の圧力条件を見つけることで、飛散の抑制が期待できます。

ワークとの距離・角度を見直す

ノズルとワークの距離が離れるほど、液滴が空気中を移動する時間が長くなります。 その結果、空気抵抗や気流の影響を受けやすくなり、飛散量が増加します。 また、噴射角度の最適化も重要です。 適切な距離・角度に調整することで塗着効率が向上し、飛散を抑制できます。

ノズルの種類や制御方式を見直す

二流体ノズル(圧縮エアーと液体を混合する方式)を使用している場合は、一流体ノズルへの切り替えで飛散を大幅に抑制できます。エアーによる微粒化とミストの巻き上がりがなくなるためです。

しかし、一流体ノズルへ切り替えると「微量での噴霧コントロールが難しく、流量が増えてしまう」という新たな課題が生じることがあります。

この、「一流体化による流量過多」と「飛散対策」を同時に解決する決定打となるのが、PWM(パルス幅変調)制御です。

飛散抑制の決め手となる「PWM(パルス幅変調)制御」とは?

PWM(Pulse Width Modulation)とは、電磁弁やノズルを高速で「ON」と「OFF」に切り替えることで流量を制御する技術です。

例えば、
ON:10ms
OFF:10ms
で繰り返せば50%出力、
ON:15ms
OFF:5ms
で繰り返せば75%出力となります。

PWM制御の仕組み

最大のポイントは、液体の「圧力」を変えるのではなく、「時間の割合」で量を調整する点にあります。

なぜPWM制御で飛散を抑制できるのか?

PWM制御を導入することで、なぜ飛散を劇的に抑えることができるのでしょうか。その理由は主に以下のメカニズムにあります。

①「圧力」と「流量」を独立して制御できる

従来の圧力制御では、「流量を減らすために圧力を下げるとスプレーパターンが崩れる」「流量を増やすために圧力を上げると過度な微粒化が起きて飛散する」というジレンマがありました。

PWM制御では、飛散しにくい最適な液圧(=安定した粒子径)に固定したまま、サイクル内のON/OFF比率(デューティ比)の調整だけで流量のみを自在に増減できます。 圧力を下げずに少量塗布ができ、飛散ミストの発生を抑えられます。

②エアー不要の「一流体ノズル」で極小量の塗布が可能

従来、極小量の塗布には圧縮エアーで微粒化 する二流体ノズルが不可欠とされていましたが、これがミスト飛散の大きな原因でした。

PWM制御を用いれば、高速開閉によって一流体ノズルのまま最小限の吐出量に絞り込めます。 圧縮エアーを使わないため、風によるミストの舞い上がりを防止できます。

まとめ:現場に合わせた最適な対策で、品質向上と環境改善を

塗布工程における液体の飛散は、品質不良や材料ロスだけでなく、作業環境の悪化や保全工数の増加など、現場全体に大きな影響を及ぼします。
飛散問題を根本から解決するためには、自社の課題段階に応じたアプローチを取ることが重要です。

  • ステップ1(設定見直し): 噴霧圧力の最適化や、ノズルとワークの距離・角度を調整する。
  • ステップ2(ノズル見直し): エアーによるミストの舞い上がりが原因であれば、二流体ノズルから一流体ノズルへの切り替えを検討する。
  • ステップ3(制御技術の導入): 一流体化に伴う「微量塗布の難しさ」や「流量過多」に直面した場合は、液圧を変えずに高精度な流量制御ができるPWM制御を活用する。

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