排ガス冷却工程の改善により環境規制への適合と設備保全を実現

排ガス冷却工程の改善により環境規制への適合と設備保全を実現

CFD解析とFloMaxエアアトマイジングノズルの導入で、ダイオキシン抑制と設備寿命延長を実現しました。

課題

米国のある化学メーカー様では、垂直型ガス熱酸化装置(VGTO)の排出ガス処理工程において、環境規制への対応が大きな課題となっていました。既設の冷却ノズルでは排ガス温度を十分に低下させることができず、ダイオキシン生成を抑制するための規制基準を満たせていませんでした。

さらに、過剰な壁面濡れが発生していたため、塔内部の耐火ライニング材(リフラクトリー)が著しく損傷し、冷却ノズル設置後わずか4カ月で交換が必要になる状況でした。

Flomax Cooling Application

解決策

最適な冷却ノズルを選定するためにCFD(数値流体力学)解析を実施し、塔内のガス流動や運転条件を詳細に評価しました。解析の結果、適切な冷却性能を確保しながら壁面濡れを防止するには、ノズルの変更だけでなく、塔内での設置位置を最適化することが重要であることが判明しました。

CFD解析により、

  • 効果的な冷却と完全蒸発に必要な液滴径を検証
  • ノズルの最適配置を特定
  • 壁面濡れを発生させない運転条件を確認

その後、耐食性に優れたHASTELLOY®製のFloMax高効率エアアトマイジングノズルを搭載した専用スプレーランスを設計・導入しました。
これにより、壁面濡れを発生させることなく、排ガス温度を899°C(1650°F)から71°C(160°F)まで効率的に冷却することに成功しました。

導入効果

FloMaxランスの導入以降、化学メーカー様は環境規制への適合を維持しています。 また、耐火ライニング材の点検でも浸食や損傷は確認されておらず、塔内部の壁面および底部は完全蒸発の実現により乾燥状態が保たれています。

主な成果は以下のとおりです。

  • 環境規制への適合を達成し、操業停止リスクを回避
  • ダイオキシン生成抑制に必要な排ガス温度を実現
  • 100%蒸発により壁面濡れを解消
  • 耐火ライニング材の浸食を防止
  • メンテナンスコストの削減

壁面濡れの問題が解消されたことで、今後は高価な耐火ライニング材から、より低コストなレンガ材への切り替えも検討されています。結果として、設備の信頼性向上と大幅なコスト削減の両立を実現した事例となりました。