CFD解析によるガス冷却システム最適化事例

CFD解析によるガス冷却システム最適化事例

エチレンプラントのガス冷却工程の改善でエチレン生産量を2倍に拡大

課題

中国のあるエチレンメーカー様では、クエンチオイルをガス流に噴霧し、ガス温度を400℃から170℃まで冷却する工程を運用していました。

既存設備では、8インチの大型フルコーンノズル8本を使用してガス冷却を行っていましたが、年間エチレン生産量を60万トンから120万トンへ倍増するため、新たに2基のスチームクラッキング炉を増設する計画が進められていました。

しかし、新設されるクラッキング炉ではガス流量が既存設備よりも大幅に少ないため、それぞれに適した新たなガス冷却システムが必要となりました。 エンジニアリング会社からノズル仕様の提案は受けていたものの、メーカー様はプロジェクトを進める前に、その妥当性を検証したいと考えていました。

Gas cooling injetors for ethylene plant

解決策

独自のガス冷却計算とCFD(数値流体力学)解析を活用し、最適なガス冷却システムを検討しました。
その結果、エンジニアリング会社が提案していた6インチフルコーンノズル6本ではなく、3インチのFullJet®フルコーンノズル10本を使用することで、より効果的な冷却性能が得られることが判明しました。

CFD解析では以下の要素を詳細に評価しました。

  • ガス流速
  • スプレー濃度分布
  • 液滴の滞留時間
  • 温度分布

ノズル本数および配置条件

さらに、ノズルの最適な選定・スプレーの噴射方向・ランスの挿入位置を決定するため、複数回にわたるシミュレーションを実施し、ガス冷却性能を最大化する設計へとブラッシュアップしました。

導入効果

最適化されたガス冷却システムは問題なく導入され、メーカー様は当初の目標であったエチレン生産量の倍増を達成しました。 さらに、新しいクエンチシステムにより、最上位グレードである「Aグレード」エチレンの生産比率も向上しました。

主な成果

  • エチレン生産能力を年産60万トンから120万トンへ拡大
  • ガス冷却性能を最適化
  • Aグレードエチレンの生産比率向